原作設定とパラレル設定を混ぜたようなお話。
監禁・陵辱系も入っているので、苦手な方はご注意ください。
ヘクトルの死の真相を知り、オルセリートと共に逃げるベルカ。
オルセリートに向かった矢を代わりに受け、崖から落ちかける。(ここまで原作と同じ)
オルセリートにベルカと関わらないことを約束させたキリコは、鴉たちにベルカを助けさせる。
そして、オルセリートはキリコによって離宮に戻され、ベルカもまた鴉たちによって運ばれる。
王府へと戻ったキリコは、ベルカをある宮の地下に幽閉する。
口封じで殺してもいいが、ベルカにはまだ利用価値がある。
オルセリートの操作が上手くいくとも限らないため、保険として生かしておくことにする。
だが、だからといってヘクトルの死の真相を知ったベルカを解放するわけにもいかない。
例の薬を使うのはリスクが高すぎると踏んだキリコは、別の方法でベルカから意思を奪おうと考える。
一方、オルバス公をはじめとした元老たちは、ベルカとオルセリートに真相を知られたことに危機感を抱く。
オルセリートが上手くお人形として使えるようになるまでは、ベルカを殺すわけにはいかない。
そこで、キリコが提案をする。
ベルカの身体ではなく、心を殺してしまえばいいと。
何も考えられず、自分たちの意のままになるまで、その心をズタズタに引き裂いてやればいい。
キリコは、元老たちと共に宮の地下にいるベルカを訪ねる。(ラーゲン公は除く)
鎖に繋がれたベルカはベッドの上に座って、キリコたちを睨みつけている。
「オルセリートはどうした」と問うベルカに、ただ「ご無事ですよ」とだけ答えるキリコ。
キリコはベルカに近付くと、髪を引っつかんで後ろに押し倒す。
強引にベルカの口を開けさせると、手に持っていた小瓶の蓋を開け、ベルカの口に流し込む。
吐き出そうとするベルカの口を押さえ、無理やり嚥下させる。
何を飲ませたのかと問うベルカ。
「ご安心ください、ヘクトル様に差し上げたのとは違う薬ですよ」
その言葉に激昂し、キリコに掴みかかるベルカだが、急に身体の力が抜けてその場に蹲る。
身体の奥が、異常なほどに熱い。
「即効性の薬です。よく効くでしょう?」
身体に危険のあるものではない、ただの媚薬のようなものだ、とキリコは笑う。
キリコの後ろには、下卑た笑みを浮かべた元老たち。
「それでは殿下、そして元老のお歴々。どうぞごゆるりとお楽しみください」
そう言い残し、キリコは部屋を去る。
そして、キリコが去った後の部屋からはベルカの悲鳴が響き渡る。
その後も、ベルカのいる地下には幾度となく元老たちが訪れてはベルカを慰み者にしていく。
ベルカのいる地下階に、ベルカの見張り兼世話役として任じられたのが城に勤めていたリンナ。(この辺がパラレル設定)
決してベルカを逃がさないこと、元老たちの行動に干渉しないこと、この地下でのことは詮索も口外もしないこと。
この三つを特に強く言いつけられており、リンナは命令されるままにひたすらベルカの世話をする。
ボロボロに穢されていくベルカの姿が痛々しく、しかしリンナには誠心誠意お世話することしか出来ない。
元老たちはリンナに「退屈だろう、私たちが来ない日はおまえも楽しませてもらえ」と言うが、リンナは決してそういう目的ではベルカには触れなかった。
他の者がいない時くらいは、ベルカがほんの少しでも安心できるようにと。
髪を梳かしたり身体を拭いたり着替えを手伝う時も、細心の注意を払って怖がらせないように優しく触れる。
そんな風にして時が流れていく中で、最初はリンナに対しても強い警戒心を隠さなかったベルカも、いつしかリンナの存在を心の支えにしていく。
リンナが傍にいてくれるなら、この辱めにも耐えていられると思うようになる。
そしてまた、リンナ自身もお世話を続けていくうちにベルカの存在を大切に想うようになっていく。
ベルカをここから助け出したいと思うものの、リンナひとりではどうにもならない。
この宮から抜け出せたとて、ベルカを抱えて城を出て関所を突破するなどまず不可能。
仮に突破できたとしても、すぐさまかかる追っ手を凌ぐ術はない。
自分の無力さに悔しさと怒りを感じるリンナ。
その頃、オルセリートもまたキリコを強く詰問していた。
ベルカは一体どうしているのかと。
最初は「受けた矢傷の具合が思わしくないので静養している」という言葉を信じざるをえなかったが、さすがに時間がかかりすぎている上に会うことすら出来ないのでは不審を抱くのも当然。
共犯関係を結んだとはいえ、キリコとしてはオルセリートにベルカのことを知られるわけにはいかない。
オルセリートがベルカを大切に思っている以上、知ればオルセリートがどんな行動に出るかは明らかだからだ。
しかし、これ以上言葉だけで誤魔化すのは無理だと判断したキリコは、オルセリートにベルカを会わせることを約束する。
キリコによって
そんなベルカに、キリコはこれからオルセリートを連れてくることを告げる。
「ですが……あまり妙なことはお考えになられませんよう。もしオルセリート様が貴方のために表立って元老院に行動を起こすようなことがあれば……本当に『お人形』になっていただくほかありません」
下手なことは喋るな、と釘を刺すキリコ。
「オルセリート様まで、不幸にしたくはないでしょう?」
冷たく笑いながら、キリコがベルカの耳元に囁く。
雪華宮にやってきたオルセリートだが、ベルカに変わった様子は見られない。
いや、どこか違う……そう感じるものの、その僅かな違和感の原因が分からない。
ベルカに訊いても何もないとしか答えない。
気にはなったが、これ以上は聞き出す術もなく、オルセリートは青海宮へと戻る。
再び地下に戻されたベルカだったが、リンナはオルセリートの存在に僅かな希望を見出す。
オルセリートは本当にベルカを心配し、大切に思っているように見えた。
わざわざ雪華宮にベルカを連れて行ったのは、オルセリートがこの地下でのことを知らないためだろう。
もし、オルセリートにこのことを知らせることが出来たなら。
それだけで解決するとは思えないが、リンナひとりで何とかしようと考えるよりも可能性は高まる。
問題は、どうやってオルセリートに伝えるか。
リンナは職務上、滅多なことではこの宮からは離れられない。
ましてや、王太子であるオルセリートに接触するなど、ほぼ不可能に近い。
更にオルセリートの傍には、事の元凶でもあるキリコが常に付き従っている。
それでも、何とかしなければならない。
一刻も早く、ベルカをここから救い出すために。
ベルカの心が、いつしか壊れてしまう前に。
リンナは決意をする。
どんなことをしてでも、この命を投げ打ってでも、ベルカをここから助け出すことを。
……と、ここまで妄想しました。
実はこの先どうするかとか全然考えてないんですが。
ベルカが酷い目に遭ったりして特殊設定なので、こういう話需要あるかなぁ……と思ってプロット書いて公開してみた次第。
プロット書き出したことでちょっと満足した感もありますが。
需要がありそうなら、いつか形にしてみたいなと思ったりもします。
しかし、プロットだけでこれなら、実際お話として書き出したらどんだけの量になることやら。