ベルカ


旅芸人の踊り子を母に持つ、妾腹の第三王子。
平民の母を持つが故に蔑まれ、疎まれて。
そりゃまあ、幼い頃からこんな環境で育てられれば性格だってヒネくれますよ。
それでも根っこ部分が真っ直ぐで優しい人間に育ったのは、ひとえに母上とヘクトルのおかげなんでしょうねー。
あ、じいやもベルカに優しかったそうだから、じいやの育て方のおかげもありそうだ。
ベルカの母上は幼少の頃に大病禍で亡くなられたそうですが……まさか、例の薬じゃないですよね?

正直なところ、アモンテールへのあからさまな憎しみを隠そうともしなかった頃のベルカはあまり好きではありませんでした。
ヘクトルの死も、あくまで元老院のせいであって、ホクレア(アモンテール)のせいではないですから。
もっとも、ベルカもそんなことが分かっていて、それでも憎まなければどうしようもなかったんだと思うのですが。
完全にアモンテール=邪神が生んだ化物、と信じて疑っていなかったベルカがもどかしかったつーか、イラッときたっていうか。

しかし、ホクレアと和解してから一気に好きになりました。単純でごめんなさい。
あのアルロン伯別邸での一件は、ベルカの成長の度合いが特に凄かった気がします。
その前から少しずつ変化はしてましたけど!
ベルカの成長のきっかけは、リンナとエーコですよねー。特にリンナ。
自分のために命を賭けた人間がいる。
だから、「王子」としてそれに応えなければ──というベルカの心情にトキめいた。
いや、あそこで初めてベルカを格好良いと思いました。
マリーベルは実に可憐で可愛らしかったですが(笑)

その、マリーベル。
いやいやいやいや、可愛すぎるでしょういくら何でも!(笑)
男(リンナ)1人、あっさり一目惚れさせちゃう女装王子。素敵過ぎる。
ついでに、街に1人で立ってればナンパされちゃう。
何という見事な美少女っぷり……!
……エーコも美人でしたが、オルセリートも普通に似合いそうだな、女装……。

大切なものをどんどん失っていくベルカが、あまりにも悲しくて痛々しいです。
ベルカに優しい人は皆いなくなっちゃうとかもう、どんだけベルカが試練与えられればいいというのか。
ヘクトル暗殺の真相を知ったのを機に、一気にベルカの人生変わりましたよね。
そのおかげで得たものももちろんたくさんあるけど、失ったものも多すぎる。
それでも、王子としてひたすら前に進もうとするベルカがたまらなく愛しいです。
本当に強くなったな、ベルカ……。

主人公だけに、最後はきっと幸せになってくれると信じてますが、なんかもう本当に頑張れベルカ。






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