アニメ tactics 感想


第21話 記憶の扉
第22話 蒼き眼
第23話 硝子の雪景
第24話 こころ遥かに
第25話 ミエナイチカラ


 第21話 記憶の扉

最初、蓮見が何やら力説している時は一体勘太郎に何を頼みたいんだろうとちょっとワクワクしてたんですが、単にロザリーを預かってほしいだけですか。
ああもう、もったいつけちゃって……。期待したこの胸の高鳴りを返せ(笑)
でも、そんな程度の頼みすら、勘太郎には素直に言えない蓮見が好きですとも。
相手が勘太郎じゃなければもっと普通に頼めるだろうに。
いや、むしろそこまで素直に頼みたくない相手であるにも関わらず、他の誰でもなく勘太郎に頼みに来た辺り、蓮見の内にある勘太郎への信頼を見た。
何だかんだ言っても、勘太郎に預けるのが1番安心だと思ってるんですよね、蓮見は!
もっとも、本人は力の限り否定するでしょうが(笑)

かるたはともかく、すずちゃんとロザリーのにらめっこ。
……ロ、ロザリーに妖怪・お歯黒べったりがー! 顔、顔怖いー!
ロザリーちゃんの可愛らしいお顔にアレは酷い……酷いよスタッフ……。
ついでに、笑ってるむーちゃんも密かに怖かったです(笑)

夜中にロザリーが春華の元に来た、あのシーン。
ロザリーが春華の浴衣の合わせに手を差し入れた時には、どうしようかと思いましたよ。
おいおいおいおいおい! 先週に引き続いてその構図はヤバくないか!? ……と(笑)
あれがロザリーじゃなくて勘太郎だったら、そりゃーもうイヤラしい事この上ないシーンだったのではないかと。
もし勘太郎だったら、そのまま勘春に雪崩れこみかねませんよ。つーか雪崩れこみますよ。
危うし春華。……って、そういう話じゃなくて。
結局この時のロザリーも憑かれていて、隙間から覗いてた(笑)勘太郎が落としたんでしょうか。
勘太郎……心配な気持ちは分かるけど、隙間からこっそり覗く姿はとても怪しいよ……。

皆が浅草に行った後、居残りの勘太郎の元へ訪れるスギノ様。今週は遅かったですね。
むーちゃんの所在を確かめた後も、むーちゃんを追って浅草に行かずに勘太郎の元に残ったのはちょっと意外でした。
すぐさまむーちゃんを迎えに行くかと思ったのに。
春華の事で話があったからでしょうが、その後で勘太郎に無理やり引っ張られてそれでもちゃんと勘太郎を浅草まで連れてってくれるスギノ様は良い人(天狗だけど)ですね……。
しかも、何の説明もなしで。
あのぶらさげ状態はちょっとばかり間抜けでしたけれども。

ところで、「ソーサラーストーン」と聞いて、真っ先にソーサラーハンターを思い出した同志はいませんか。
ちなみに私はマロンちゃんが好きでした。ミルフィー・ユも好きでした。(誰も訊いてない)

話を戻しまして。
浅草組はというと、すずちゃんがとても健気です。
尽くすタイプなんだな、すずちゃん。
春華もすずちゃんの気遣いが分かったのか、随分すずちゃんに優しいし。
あのくらいの子供にあれだけ気を遣わせて、ぐだぐだ落ち込んでたらどうしようもありません。

昇菊=茨木の義太夫節で記憶が戻りそうになって地上に落ちていく春華を、勘太郎がキャッチするのはいいんですが……。
スギノ様が勘太郎を抱え、その勘太郎が春華を抱える、というのは傍から見ると結構面白い構図だったのではないかと。
いや、シーンはこの上なくシリアスな展開なんで、水を差すようなことを言うなというツッコミはもっともです。
でも、ふと思ってしまったんです……。
救いは、その構図がまともに映されなかったという事でしょうか。

結局、勘太郎によって茨木の術は中断されて春華も完全には覚醒せず。
でも、正直、壊れたお守りを握りしめる春華はちょっと女々しいと思っ……げほげほげほ。
昨夜に怪しい光に気付いた時点で、お守りの中を調べるくらいしとこうよ……。

次回予告。
勘太郎と春華、分裂の危機!?
いや、勘太郎ならきっと春華を分かってくれるはず! そう信じてますとも!
この予告の問題点はそこではなく。
ナレーション『あろうことか……!』って、何ですか!
今、私の頭の中にはとてつもなく嫌な予感がしてるんですが。
春華が勘太郎を……なんて事はありませんよね。お願いですよ、スタッフさん。



 第22話 蒼き眼

アニメの春華は元々暗めな感じでしたが、今週はまた輪をかけて暗いです。
殆ど喋らないし。セリフ数えられそう。

鬱々とした春華に、一ノ宮家の空気までがどんよりしております。
ヨーコちゃんもお茶やお饅頭を勧めてみたりして、何とか空気を明るくしようと頑張ってくれてるのに、一向に効果なし。
勘ちゃんも本屋に連れ出したり動物園に誘ってみたりラムネを買ってみたり、元気付けようとしてるんだけど、こっちもさっぱり。
すずちゃんはすずちゃんで双六に誘ったり機嫌を損ねたと思って謝ったり、色々必死になって。
これだけ周りに気を遣わせまくって、それでも1人鬱々状態の春華を見てるといい加減ウザった……げほげほげほ。
いや、春華が辛いのは分かるんですよ。
でも、あんなに小さな女の子までがあれだけ気を遣ってるのに、いい加減にしろよと。
まあ、春華自身が1番そんな自分に苛ついてるのかもしれませんが。
蓮見が来た時の、あの反応から察するに。
しかし蓮見。
話も聞かずにいきなり勘太郎が悪いと断定する辺り、さすが蓮見(笑)
日頃の勘太郎の行いのせいか、はたまた蓮見の個人的偏見のせいか。(多分両方)
どうでもいい事だけど、蓮見ってばすごくナチュラルに一ノ宮家に上がってるけど、無断で上がってきたんだったらスギノ様と一緒だぞ……。

春華抜きで依頼に向かおうとする勘太郎の前に春華が現れたのは、やっぱりその前のすずちゃんの健気さのおかげですか。
依頼のあったお屋敷での春華の回想……スギノ様、むーちゃんとラブラブしつつも真剣に春華と話が出来るその器用さが素敵です。
スギノ様は、春華の内心を割と見抜いている感じですね。
最近は妖怪に操られたりむーちゃんを探して三千里だったり、情けな系の登場が多かったですが、ちょっと見直しました。(←偉そう)

屋敷探索中なのはいいんですが、春華!
突然、勘太郎に向けてボーガンの矢を放つという暴挙に!
ヨーコちゃんが気付いて勘太郎に叫ばなきゃ、命中してた可能性もありますよ。
1番、呆然としていたのは春華ですけれども。
あれは、無意識の行動だったんですかね。
封じられた、しかし僅かに零れ出している記憶が、そうさせたんでしょうか。

二階に上がった時も、鬼の鬼気に当てられたのか何なのか、勘太郎に向かって鋭い爪を向けようとするし!
でも、ここで前半での双六の最中の「大事なものを自分の手で壊してしまった」という言葉を思い出して、その手を止めたのは……やはり春華にとって、勘太郎が『大事なもの』だからですよね!
無意識の記憶でその手にかけようとしたものの、今の『春華』としての記憶がそれを許さなかった。
外に飛び出した後、自分の手を見つめて「俺は……勘太郎を……」と呟いてましたが、勘太郎を殺そうとした自分がショックだったんですね……。

鬼を殺してしまった春華が、自分の血まみれの手を見て立ち尽くすシーンは辛い……。
そこをすずちゃんに見られてしまったんですから、尚更ですよ。
今まで自分を一途に慕っていたすずちゃんが、恐怖の眼差し(春華にはそう見えていたはず)で見ているんですよ。
思わず飛び去ってしまった春華ですが、勘太郎に会うのが怖かったんですかね。
妖怪を友達だと言い、今まで妖怪を殺さずに荒魂のみを調伏していた勘太郎が、妖怪を殺した自分をどんな目で見るのか。
勘太郎に嫌悪の眼差しで見られたら、それこそ立ち直れなさそうだ……。
いや、もちろん、勘太郎は何があっても春華をそんな目で見たりはしないでしょうけどね。
ラスト、血で汚れた手を川の水でひたすら洗い落とそうとする春華の姿が痛々しかったです。

ところで、ここはツッコむべきところなのかどうか分かりませんが。
勘太郎の前に姿を見せた頼光……は、いいんですけどね。
何ですか、あの去り方。
消えてましたよ。つーか、頼光は人間じゃなかったのか!?
妖怪はどうか知らんが、人間は普通溶けるように消えたりはしないぞ!?
頼光の正体について、とても疑問に思った今日。

次回予告。
茨木とかも出て、いよいよ大詰めに向かっていくようです。
ナレーションでは勘太郎と春華の事ばかりでしたが、予告映像を見るに、密かにヨーコちゃん大ピンチですか!?
何だか、とても大変な目に遭っているようなんですけれども……!



 第23話 硝子の雪景

冒頭の川の水で手を洗う春華。
昔と同じように鬼を殺しただけのはずなのに、その事に酷く動揺する春華がいいですね。
記憶を取り戻しつつある昔と今とのギャップに、心がついていってない感じで。
勘太郎と出会った事で、春華は確実に変わっていると思うわけですよ!
その変化が、取り戻しかけている記憶をどこかで拒否しているのかもしれません。
後にスギノ様と話をしている時に、記憶が戻りかけている事を嬉しいとはっきり言い切れないところにそれが表れてますよね。
記憶が戻る事は嬉しいはずなのに、どこかそう思えない部分があって、春華は戸惑うんですよ。
いやもう、どう考えても勘太郎のせいですよね。
勘ちゃんがいるから、春華は今の自分を失う事を怖れてしまうんですよ!
もしも昔の自分に戻ったら、勘太郎との関係も全て壊れてしまうから!
それだけ、春華にとって勘太郎は重要な存在なのですよ!
……と、春勘ラバーな私は思うわけです。

当の勘太郎は勘太郎で、春華が妖怪を殺していなくなったショックで夜も眠れない日々を送っているワケですね。
それでも、表面上は何でもないフリをして笑うのが勘太郎らしいなと思います。
勘太郎って、どんな辛い事があっても笑顔に隠して悟らせなさそうです。
でも、そんな勘太郎でも隠し切れないくらいに、春華の事は大きいんですよ。
レイコさんに思わず「何が分かるって言うんだ」と呟いてしまったのは、勘太郎にとっても痛恨だったんでしょう。
自分を気遣う人に当たるなんて、勘太郎は絶対にしたくないだろうから。
「顔を洗ってくるよ」と言いつつ席を立った後、どっぷり自己嫌悪に陥ってそう。勘ちゃん……。

手当てをしてオコジョを野生に帰すという話の時に、勘太郎が考えたのは春華の事ですよね。
「春華」という名前で春華を縛っている事が正しいのかどうか、勘太郎も迷いがあるんでしょうね。
本当は、名前の契約を破棄して春華を自由にしてあげた方がいいんじゃないかと思ったりしつつも、勘太郎は春華を離したくないんですよ!
そうしたら、春華は自分の元を去っていってしまうだろうから。
春華が自分の傍からいなくなるという事が、勘太郎には耐えられないんですよ!
だって、勘太郎にとって、春華は唯一無二の存在なのですから!
自分のエゴだと分かっていても春華を離してあげられない。そんな自分に苦しむんです。
切ない。切ないったらありません。

ロザリーが目撃した場所で春華を見つけ、追いかける勘太郎ですが……罠くさいと思ってたら、やっぱり罠ですか。
普段の勘太郎なら見抜けそうなものなのに、それを考える余裕すらなかった勘太郎の切羽詰まった状態に密かに萌えました。(オイ)
いや、いつもはひたすら策士な勘太郎が、春華を想う余りに冷静さを失って策に嵌まるだなんて素敵だと思いませんか。
春華への想いが伝わってくるようじゃありませんか!

そんな妄想はさておきまして。
先週の予告で心配していた事が! ヨーコちゃんが大ピンチです!
勘太郎自身じゃなくてヨーコちゃんを狙う辺り、頼光は勘太郎をよく理解していますね……。
今回のやり方、普通に刀なりを咽喉元に突きつけて脅すとかより、遥かに恐ろしかったんですが。
こう、手が伸びてきてヨーコちゃんを引き摺りこもうとする辺りがホラーな感じで……。
じわじわと引き摺りこまれていくのを見てると、背筋がゾッとしてくるんですが……。
幽霊とかまるでダメな私は、ちょっとあのシーンは怖かったです。

追い詰められた勘太郎ですが、その映像が春華とすずのところに現れたのはどういう仕組みでしょうか。
すずの贈ったガラスの小瓶とロザリーが媒介になったようですが、一体誰がどうやってそんな事を。
その謎はともかく、それを見た春華は飛び立つわけですが……もちろん行く先は勘太郎達のところですよね?
じゃなかったら、手元の座布団をテレビに投げますよ。

ところで、勘太郎に春華の名前の契約を解くように迫る頼光について。
「さあ!」と迫る頼光の顔が、物凄く悪人面だったように見えましたが私の気のせいでしょうか。
かなり精神ヤバげでしたよ。目がどこかにイッちゃってましたよ。
大丈夫ですか、頼光。なんかおかしなクスリ使ってませんか。
原作の頼光がこれを見たら、それこそ無言でTV切り刻みそうだ。童子切安綱で。

次回予告。
最終回とは言ってませんでしたが、最終回でしょうか。それとも後1回あるんですかね。
サブタイトルからして最終回くさいんですが。
もしそうなら、どうやってまとめるのか気になります。
とりあえずヨーコちゃんはあの状態から助かったようなので、そこは安心しました。
後は、勘太郎と春華ですね。
頼光や茨木をどうするのか(原作では健在なだけに)、その辺にも期待。



 第24話 こころ遥かに

前回に引き続き、ヨーコちゃん大ピンチ中。
……と、そこにむーちゃん登場。
むーちゃん……空間まで超えられるのか……! ロザリーの助けもあったようだけど。
置いてかれたスギノ様がちょっと可哀想。
ロザリーが囮になってむーちゃんが勘太郎の元へ駆け付ける辺り、むーちゃんとロザリーは息ぴったりですね。
何でそんなにツーカーの仲になっちゃってるんだ、2人とも(笑)
そして、むーちゃんがヨーコちゃんを助けるわけですが……。

むーちゃん、すげえ……!

そう思わずにいられなかったのは、決して私だけではないはずです。
勘太郎でもどうにもならなかった結界をいとも簡単に解いた挙句に、死霊の世界に引き摺りこまれたヨーコちゃんを吸い出しちゃいましたよ。
何というか、本当に何でも出来るんだな、むーちゃん……!
頼光が思わず「何なんだ、あの妖怪は!」と言いたくなった気持ち、とてもよく分かるよ……(笑)
この一連のシーンは、『むーちゃん最強説』をより強固にしましたね。
もう、むーちゃんが傍にいれば不可能は何もないような気すらする……。

むーちゃんによってヨーコちゃんが助け出され、人質作戦が失敗した頼光は勘太郎へ精神攻撃を試みるわけですが。
ここと、後の勘太郎を守って戦う頼光(と書くと違和感バリバリですが)を見て、ついつい頼勘に萌えそうになった節操なしの私を許して下さい。
いえ、誰に許しを請うているのかと訊かれると困るのですが……敢えて言うなら春華かな。
あの、背後から勘太郎の両肩をそっと掴んでいるあの体勢がとても素敵じゃないですか。
しかも、勘太郎の肩に置いた頼光の手付きがいやらしいですよ。(目が腐ってる……)
そこから更に耳元で囁き攻撃ですよ。
……原作なら、別の意味で精神攻撃になる気がしますが(笑)

現れた春華が勘太郎を攻撃した時に慌てる頼光達が妙におバカで可愛かったです(笑)
……それくらいは予測しとこうよ、頼光。原作のしたたかさは何処へ行った。
そして、ここでちょっと前にも書いた、勘太郎を守って春華と戦う頼光ですよ。
原作では絶対お目にかかれないであろうシーンだけに、そりゃもう楽しかったです。
契約を破棄させるためとはいえ、頼光が勘太郎を庇って戦うんですよ。
原作の勘太郎と頼光にこれを見せたら、きっとこれ以上ない嫌がらせになるんじゃないかと!(笑)
ああ、それとも案外楽しんじゃうかな、あの2人なら……。

頼光と春華の戦いの後の、勘太郎と春華のシーン。
春勘者に萌えて下さいと言わんばかりですよ。
「ボクにとって、キミは1番大切な存在なんだ」
「人間と妖怪じゃない、キミとボクなんだよ」
こんな熱い告白受けちゃったら、いくら勘太郎が「ボクを殺したいなら……いいよ」なんて目を閉じても、殺せるわけがありませんって。
勘太郎は、もし本当に春華に殺されてもそれでいいと思ってたんでしょうけど。
ここで、勘太郎によって自らの意思を取り戻した春華に、2人の絆を見ました。
「立てるか」とそっと手を差し出す春華がまた良い感じですよ。
そこだけ2人の世界が構築されているかのようですよ。

ところで、劣勢を悟った頼光達は撤退するわけですが、これまた人間離れした去り方をしてくれました。
茨木は鬼だからいいとして、頼光と渡辺は一応人間だったような気がするんですが。(一応言うな)
何故、あんな一瞬で風と共に去っていけるのでしょうか。

その辺の謎はいいとして。
全てが解決したかと思いきや。
春華から「お前の元には戻れない」なんていう衝撃発言が。
勘太郎の元に戻らなかったら、何処に戻るんだ、春華!
春華の戻るところは勘ちゃんのところだと決まっているのに!(私の中で!)
春華が飛び去った後、勘太郎が小さく春華の名前を呟くのが切ない……。

次回予告。
今度こそ最終回です。
ですが。
何ですか、あの悲劇くさい予告は。
アンハッピーエンドだったりしますか。まさか、まさかね。
原作がどう転んでいくか分かりませんが、アニメはハッピーエンドでお願いしたい。切実に。
幸せな勘太郎と春華の結末が見たいんです。
お願いします、スタッフさん! ハッピーエンドを……!
今は、希望を持ちつつ来週を大人しく待ちます……。



 第25話 ミエナイチカラ

とうとう最終回です。

春華が去って元気がない勘太郎と、そんな勘太郎を見ていられないヨーコちゃん。
勘太郎が辛いのはもちろんですが、ヨーコちゃんも辛いんですよね。
春華がいなくなって、勘太郎もずっと落ち込んでて。
半年間もずっとそんな日々を過ごしていたら、ヨーコちゃんだって参っちゃいますよ。
そこに、更にトドメを刺すかのような現実が突き付けられるわけですが……。

すずちゃんが、半年前に既に亡くなっていたという事実。
OPにすずちゃんの写真が飾られていたカットがあったので、すずちゃんの死は予測範囲内でそんなに驚きはしませんでしたが、やっぱり悲しい。
特に、すずちゃんが亡くなったのがあの事件のすぐ後で、一体どんな気持ちで死を迎えたのかと思うと……。
きっと、春華の事をずっと考えてたんだろうなと。
成仏できない、この世をさまよう未練になるくらいに。
主のいない部屋、というのは物悲しくていけません……。

すずちゃん(の幽霊)がお札に阻まれて勘太郎達が見えなくて元気なく帰ろうとした時にヨーコちゃんが「すずちゃん! いるよ! 私達ここにいるよ!」とお札を破りながら叫ぶとこで、ちょっとじんわりきました。
幽霊でも何でも目の前にいるのに、あんな悲しそうな顔を知らんフリしてやり過ごす事なんで出来ないんですよね。
もちろん勘太郎も平気なワケではないし、必死で耐えてるんでしょうが……。
ただ、「すずちゃんのため」と言いながら、自分の心を守っているのは事実で。
ヨーコちゃんややっこちゃんの言葉が、勘太郎には自覚がある分余計に突き刺さったでしょうね。
誰も責められるものじゃないとは思うんですけどね。自分を守ろうとするのは当然の事だし。
でも勘太郎は優しいから、そんな自分が嫌で仕方なかったのだと思います。
決意した眼で顔を上げる勘太郎は、凛々しくて格好良かったです。

スギノ様からすずの死を聞いた春華は、すずの部屋へとやってきて、そこですずの幽霊と出会うわけですが。
ここでのすずちゃんとの話で、春華もまた勘太郎から逃げる事を止めるんですよ。
勘太郎と会って、真実を確かめる決意をここで固めたんですよね。
……本当にすずちゃんは子供なのか。春華よりしっかりしてそうだ。

そして!
ようやく勘太郎と春華の再会ですよ。
ここで、春華を封印した人物の正体が明らかになりましたが、これはアニメ独自設定なのかそれとも原作設定もこうなのか。
でも、勘太郎のご先祖が封印を施したとすると、スギノ様でも解けなかった封印が勘太郎に解けた説明もつけられそうな気はします。

いやまあ、そこは置いておきまして。
この辺での春華の勘太郎への語りかけ。

勘太郎への愛の告白 にしか聞こえない私の耳は腐ってますか。

えーだって……「思い出を心に刻んでいく」相手に、勘太郎を選んだわけですよね?
勘太郎と思い出を積み重ねていきたいって事ですよね?
愛の告白っていうより……プロポーズ?
「お前がそれを受け止めるなら……オレはお前の元に戻る」なんて素敵なセリフを吐いてくれる春華ですが、勘太郎が受け止めないわけないじゃないか!
大丈夫! 勘太郎はどんな春華だって受け止めてくれるよ!
勘太郎は「樹海の悪夢」に引き続いてまたしても頬を染めてるし、ラブラブムード全開です。
お前を殺すかもしれない、と言われてさえ春華を受け入れる勘太郎の懐の深さが萌えです。
勘太郎、本当にいつか春華に殺されたとしても本望そうだ……。
まあ、何だかんだ言って両想いな2人なので大丈夫でしょうが。(妄想)

一件落着、となったところで、すずちゃん登場。
元の鞘に収まった勘太郎と春華を見て、そっと微笑むすずちゃんに慈愛を見た。
生きて成長していたら、きっとさぞかし素晴らしい女性になっただろうに……。
声を上げて泣くヨーコちゃんと静かに涙を流すロザリーに、うっかりもらい泣きしそうですよ。
涙を拭って「さようなら……ありがとう……」と呟く勘太郎にも……。

戻ってきた騒がしい日常。
縁の下から這い出す勘太郎が、妙に可愛かったです(笑)
春華は春華で、ハシゴを蹴り倒すあたり容赦ない(笑)
でも、そういう遠慮のないじゃれ合う2人が私は大好きですよ!

頼光やエドワーズさん達は全く懲りてないご様子で。
というか、エドワーズさんはロクな見せ場ないまま終わっちゃいましたね。
まあ、エドワーズさんは原作で色々美味しいのでいいか。


そんなこんなで、アニメtacticsが終わってしまいました。
とりあえずハッピーエンドと呼んでいい終わり方だったので安心しました。
勘太郎と春華が悲劇的な結末を迎えていたらどうしようかと。

主にアニメオリジナルの展開で進められてきましたが、とても面白かったです。
シリアスにギャグに萌えに、のた打ち回らせてもらいました。
アニメスタッフさん、半年間お疲れさまでした!



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