おや、もうすぐ開店時間ですか。
悟空はともかくとして、三蔵と悟浄が真面目に働いてくれると良いんですが……。
サボッてたら、承知しませんよ? 2人ともv
最初のお客様がいらっしゃいましたね。
さて、挨拶を……しようと思ったんですが、悟空の声にかき消されてしまいましたね。
悟空、頑張ってますねえ。
ホントに素直で、三蔵の教育を受けたとは思えません。
あ、悟空がちゃんとテーブルまで案内してくれてますね。
はは、僕の書いてあげたメモ、有効に使ってくれてるみたいです。
三蔵と悟浄には、書いて渡してもまるっきり無駄ですからねえ。
さ、僕も悟空に負けずに仕事しましょうか。
2組目のお客様が来ましたね。じゃあ、あの方達は僕が注文取りましょうかv
水を4つ、トレイに乗せて、と。
「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりでしょうか?」
はい……はい……はい……はい……。
……以上でよろしいですか? 確かに承りました。
はい? 僕ですか? いえ、僕達は旅の者なんですよ。
ええ、あの3人と一緒に。
……はは、この仕事ですか? ちょっとやむにやまれぬ事情がありまして。
はい、じゃあ仕事がありますので、失礼します。ごゆっくりどうぞ。
……お店が混んできましたね。ちょっと忙しくなりそうです。
悟浄、こんな忙しい時にお客様を口説かないで下さい。
それに、そんな事してると……やっぱりハリセンが飛んできましたか。
そういうのを自業自得って言うんですよ、悟浄。
三蔵も、戻ってきてカウンターに肘ついてる場合じゃないですよ?
ほら、今来たお客様の注文取って来て下さい。
……三蔵? 注文、取ってきて下さいね?
分かって頂けたんですか? ああ、良かったv
ふう、結構大変ですねえ。
あ、三蔵、あそこのテーブルの料理出来たんで持って行って下さい。
ダメですよ、皆忙しいんですからワガママ言っちゃ♪
はい、じゃあお願いしますね。
……あっ! ご、悟空、危ないですよっ……!
だ、大丈夫でしょうか……?
でも、大きな声だして驚かせてはもっといけませんし……。
ほっ……。何とか落とさずに済んだようです。
運び方もメモに書いておくべきだったでしょうか。
何とか客足も落ち着いてきたようですね。
三蔵、サボッてないで注文取ってきて下さいね。
……あれ? 何か様子が変ですね。
どうやら迫られているようです。……命知らずな方ですね。
でも三蔵、店の中で発砲するのは止めて下さいね?
さて、助け舟を出しに行って来ましょうか。
え、あれは……悟空!?
……またハッキリと言い切りましたねえ……。
まあ、そこが悟空の良い所ですけどv
でもやっぱり、聞いていて面白いセリフではないですね。
おや、まだ懲りてないとは……ホントに命知らずとしか言いようがありませんね。
でもまあ、店の中で発砲されても困りますし、僕が間に入って……。
……撃ってしまいましたね。
今の僕達の立場、分かっているんでしょうか……?
お客様が騒ぎ出してしまいました。
まあ、当然と言えば当然ですが。
さて、どうしたものでしょう。三蔵には後で たっっぷりと お話するとして……。
あ、皆さん出て行ってしまいます! まずいですね。
こうなると当然…………。
ふう、やっぱりクビですよねぇ……。
こればっかりは、仕方ありません。
いえいえ、悪いのはこちらの方ですから。
え、お給料? でも、こんな騒ぎになってしまいましたし……。
……そうですか? すみません、怜杏さん。
何だか、凄く心苦しいですが、ここはご好意に甘えさせてもらいましょう。
じゃあ、申し訳ありませんが、僕達はこれで失礼させて頂きますね。
制服は洗濯してから返しに来ますので。
はい、色々ご迷惑お掛けしてしまってすみませんでした。
……ありがとうございます。では、失礼します。
ほら、三蔵達もちゃんとご挨拶して下さいよ。お世話になったんですから。
って、悟空! “おばさん”は失礼ですよ!
……特に気にしていないようですね。良かったです。
本当に心の広い方で助かりました。
それじゃ、行きましょうか。
大丈夫ですよ、悟空。とりあえず次の街までは持ちそうですし、いいとしましょう。
でも 三蔵? 後で2人でゆっくりお話しましょうねv
八戒編 END